「テレビアンテナの正しい向き」を知っている方は意外と少ないのではないでしょうか。
「急にテレビの映りが悪くなった」「特定のチャンネルだけ映らない」など、何らかの不具合が発生し、テレビアンテナの向きが原因かもしれない、自力で調整できるか知りたいと考えている方もいるでしょう。
今回の記事では、テレビアンテナの正しい向き・方向、自分で調整できるのかを解説します。業者に依頼した場合の費用相場も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
Contents
テレビアンテナの向きの重要性
テレビアンテナは、空中を伝わる電波を正しく受信するために、設置する向きが非常に重要です。電波が発信される方向に正確に向いていないと、本来受信できるはずの電波を十分に捉えることができず、映像や音声の乱れにつながります。
デジタル信号を用いているため、わずかな受信レベルの低下でもブロックノイズや映像停止などの不具合が発生しやすくなります。アンテナの向きが適切であれば、安定した受信環境を維持しやすく、天候や周辺環境の影響も受けにくくなります。
テレビアンテナの正しい向き・方向
ここでは、テレビアンテナの正しい向きを、地デジの場合とBS・CSの場合に分けて紹介します。
地デジの場合
近くの電波塔、またはその地域をカバーしている電波塔の方向が正しい向きになります。電波塔が複数ある場合、高い建物や山林などの遮蔽物がない方向が望ましいです。
魚の骨のような形の八木式アンテナを使用している場合は、アンテナに付いている「くの字」のような部品と逆側が電波を受信します。デザインアンテナやユニコーンアンテナは、ロゴやメーカー名などが記載されている平らな面が受信する向きになります。
BS・CSの場合
種類によって向きが異なります。一般的な110度アンテナは南西方向、124度・128度アンテナは南南西方向です。
アンテナは円形でお皿のような形をしており、その凹んだ面にある受信用部品で電波を受信するので、その部分が人工衛星のある方角に向いていれば正しい向きです。
確認方法
正しいテレビアンテナの向きになっているか確認する場合、まず周囲のご家庭のアンテナの向きを見るという方法があります。
電波は広い範囲に送られているので、近隣の住宅のアンテナを確認し、同じ方向を向いていれば、正しい向きになっている可能性が高いでしょう。
より詳しく知りたい場合は、
A-PAB 一般社団法人 放送サービス高度化推進協会
の「放送エリアのめやす」で調べる方法もあります。ご自宅の住所や郵便番号を入れれば、その地域をカバーしている電波塔が確認できるので、その方向に向いているかを確認してみましょう。
BS・CSアンテナの場合は、方位磁石やスマートフォンの方位磁石アプリなどで、南西もしくは南南西方向を確認しましょう。一般的に南西は「SW」、南南西は「SSW」と表示されていますので、それを目安にします。
アンテナの向きの調整は自分でできる？
では、アンテナの向きを自力で調整することは可能なのでしょうか？
結論からお伝えすると、自力での調整は可能ですが難易度は高いです。その理由は、主に「高所作業のリスク」と「向きの調整の難しさ」にあります。
一般的にアンテナは屋根の上や、家の壁面の高い位置に設置されていることが多く、調整するためにはアンテナがある位置まで登る必要があります。屋根に登るには、伸縮するタイプの高くまで登れる梯子が必要なことも多く、どこから上がれば安全であるかを判断するのも難しいです。
また、登ってみたものの、自分が思っていたよりも屋根の傾斜がきつかったり、結露などで滑りやすくなっていたりする可能性もあり、転落するリスクもあります。
アンテナの設置場所まで行けたとしても、向きを調整する際には、テレビの映りを確認しながら少しずつ行う必要があります。
専門業者でもアンテナの受信強度を確認するのに、レベルチェッカー（電界強度計）という機器を使用します。そのような機器もなく、素人がテレビアンテナの向きを正しい方向にするのは非常に難しいといえるでしょう。
以上のことから、テレビアンテナの向きの調整が必要な場合は、専門業者に依頼するのが安全で確実な方法です。
業者にアンテナ調整を依頼する場合の費用
アンテナの向き調整を業者に依頼する場合、作業内容や現場の状況によって費用は変わります。アンテナ自体に問題がなく、向きの微調整のみで済むケースであれば、5,000円程度で済むこともあります。
一方で、受信状況の確認やアンテナの再固定、配線の調整、高所作業を伴う場合など、作業内容が増えると20,000円程度かかるのが一般的です。特に特殊な屋根上での作業や劣化した部材の交換が必要な場合は、費用が高くなりがちです。
そのため、ホームページに掲載されている金額だけを見て一社に決めてしまうのは避け、複数の業者に見積もりを依頼することが重要です。作業内容や対応範囲、追加料金の有無まで確認したうえで比較することで、納得感のある業者選びができるでしょう。
テレビアンテナの正しい向きについて
今回の記事では、「テレビアンテナの向き」について解説しました。
安定的にテレビを視聴するためには、地デジでは電波塔の方向、BS・CS放送では南西（もしくは南南西）の方向に向ける必要があります。
テレビの不具合などで、テレビアンテナの向きを調整したいとお考えの場合は、アンテナ工事の専門業者に依頼するのが確実な方法です。
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