新築戸建てや既存住宅のアンテナ工事で、必ずといって良いほど質問されるのが
「ブースター(増幅器)は必要ですか?」というものです。
結論からいえば、
ブースターは「必ず必要なわけではない」が、「必要なケースも多い」というのが現場の実感です。
本記事では、アンテナ工事の専門業者であるアンテナ屋さん.comの代表として、
ブースターが必要になる理由・不要な理由・判断基準・設置するメリットなどを、
アンテナ工事初心者にも分かりやすく解説します。
Contents
そもそもブースターとは?役割を分かりやすく説明
ブースター(増幅器)とは、
アンテナで受信したテレビ電波の強さを「増幅させる機器」のことです。
地デジ電波(UHF)は、
- アンテナ
- 分配器
- 配線
- 各部屋のテレビ
という流れで届けられますが、この過程で電波はどうしても弱くなります。
ブースターはその弱くなった電波を補い、
テレビが受信できるレベルまで持ち上げる役割を担っています。
特に以下のような場合は、電波が弱りやすいため、ブースターが重要な役目を果たします。
- テレビの設置台数が多い
- 配線が長い(2階→1階→地下など)
- 電波塔が遠い
- 建物周辺に障害物が多い
- 分配数(部屋数)が多い
ブースターが「必要になる」ケース
1. 電波が弱いエリア・立地の場合
地デジ電波は場所によって強弱があり、
電波塔から遠い地域や、山・高層ビルに囲まれた立地は電波が弱くなる傾向があります。
こうしたエリアではブースターがないと、テレビが映ったり映らなかったりを繰り返すため、
安定受信のために設置することが多いです。
2. 分配数が多く、配線距離が長い場合
各部屋へ分配すると、電波はそのたびに減衰します。
- 1分配 → 約4dB減衰
- 2分配 → 約7dB減衰
- 4分配 → 約12dB減衰
特に4分配以上になると、ブースター無しでの安定視聴が難しいケースが増えます。
3. テレビが4K8K対応のBS/CSと混合している場合
地デジ(UHF)と4K8K(BS/CS)を混ぜて家中へ配信する場合は、
混合による損失が発生します。
そのため地デジ側の電波がギリギリの場合、
ブースターの有無が映りに大きく影響することがあります。
ブースターが「不要な」ケース
逆に、次の条件がそろっていれば、ブースターなしでも問題なく映る場合があります。
1. 電波が強い地域
電波塔に近い地域や、遮蔽物の少ない新興住宅地などでは、
アンテナ単体でも十分な受信レベルを確保できます。
2. 分配数が少ない・配線が短い
1〜2台のテレビにしかつながない場合は、電波が大きく減衰しません。
3. 高性能アンテナで受信レベルが充分にある
八木式アンテナなど、受信感度に優れたアンテナを使用し、
電波の強い方向に向けて設置できている場合は、
アンテナの性能だけで必要レベルを満たすこともあります。
「ブースター不要です」と言い切れない理由
工事業者として強調したいのは、
ブースターの必要・不要は「現場調査」なしには判断できないということです。
理由は主に次の3つです。
理由1:各家庭で電波状況が違うため
同じ町内でも、数十メートルの違いで電波が強かったり弱かったりします。
住所が近いからといって、「お隣さんが大丈夫だから自宅も大丈夫」とは限りません。
理由2:建物の構造・配線ルートによって減衰が変わるため
建物の構造や配線ルートによって、電波の減衰量は大きく変わります。
- 鉄骨造・RC造
- 2階 → 1階 → 地下への長い配線
- 古い分配器や壁端子の使用
こうした条件が重なると、図面だけでは分からない電波ロスが発生します。
理由3:テレビやレコーダーの機種差
同じ電波レベルでも、メーカーや機種によって映りやすい/映りにくいがあります。
「リビングのテレビは映るのに、寝室のテレビは映りが不安定」というケースも珍しくありません。
つまり、「ブースター不要です」とネット記事で断言するのは危険なのです。
正しくは、「現場で測定してから判断する」が正解です。
ブースターを付けるメリット
1. テレビが安定して映る
ブースターを設置することで、映像の乱れ・ブロックノイズ・フリーズが発生しにくくなります。
「雨の日だけ映りが悪くなる」「たまに画面が止まる」といったお悩みの改善にもつながります。
2. 4K8Kにも対応しやすい配線設計ができる
4K8K放送対応のBS/CSアンテナと組み合わせた場合でも、
十分なレベルを確保しやすくなります。
将来テレビを4K8K対応モデルに買い替える予定がある方にもメリットがあります。
3. 各部屋で同じ画質を確保できる
ブースターを入れておくことで、リビング・寝室・子ども部屋など、
どの部屋でも安定した画質で視聴できる環境を作ることができます。
ブースターを付けるデメリット
ブースターには大きな欠点はありませんが、あえて挙げるとすれば次の2点です。
- 機器費用がかかる
- 電源(電源部)が必要になる
とはいえ、コストに対して得られるメリットは非常に大きく、
「最初は不要と言われたのにテレビが安定しない」というトラブルを防ぐ意味でも、
検討する価値は高い設備だと言えます。
アンテナ屋さん.comでのブースター取付費用
アンテナ屋さん.comでは、
国内メーカー製の高品質ブースター(4K8K対応)のみを使用しています。
- 地デジブースター:19,800円
- 混合ブースター(地デジ+BS/CS):24,200円
※工事内容によって総額は変わりますが、
必要な場合は現地で電波レベルを測定したうえで、
なぜブースターが必要なのかを分かりやすくご説明しています。
「とりあえず付けましょう」というような、無理なご提案は一切行っていません。
まとめ:ブースターは「必要かどうか」を現場で判断するのが正解
最後に、この記事のポイントをまとめます。
- ブースターは必ず必要な機器ではない
- しかし、電波環境や配線条件によっては必要なケースが多い
- 電波環境・分配数・配線距離・周囲の建物などで状況が大きく変わる
- 最適な判断のためには、現場での受信レベル測定が必須
アンテナ屋さん.comでは、
工事前に必ず電波測定を行い、「必要な場合のみ」ブースターをご提案しています。
お客様のテレビ視聴環境にとって本当に必要な機器だけを選定することを大切にしています。
「新築の地デジアンテナ工事でブースターが必要か知りたい」
「今のテレビの映りが不安定で困っている」
そんな方は、どうぞお気軽にアンテナ屋さん.comまでご相談ください。